ローマ人の物語 (18) 悪名高き皇帝たち(2) (新潮文庫)

ローマ人の物語 (18) 悪名高き皇帝たち(2) (新潮文庫)

3代目皇帝カリグラ。若くして皇帝になり、たった4年弱で殺害されてその役割を終えます。
育った家庭環境があまりにもひどかったためでしょうか。人の気をひくことや喜ばれることばかりをしようとします。最初は市民も元老院も喜ぶのですが、次第に財政破綻、諸国との関係が悪化していきます。
近衛兵の大隊長ケレアがカリグラを殺害し、アウグストゥスの孫にあたるクラウディウスを皇帝に就けます。そしてクラウディウスから自死を命ぜられ、甘んじて受けます。
ケレアはカリグラが小さい頃から知っているため、あまりのひどい治世に自らを犠牲にしてもカリグラを亡き者にしたのだろう、と塩野さんは史料から推測しています。
その推測のストーリーはまるで見てきたかのようで見事です。