ローマ人の物語 (26) 賢帝の世紀(下) (新潮文庫)

ローマ人の物語 (26) 賢帝の世紀(下) (新潮文庫)

ハドリアヌスの旅の途中、イスラエルユダヤの反乱が起こります。起こるというよりは、あえて起こしたという感じだろうと作者は言います。そして、この反乱を鎮めて後、イスラエルパレスティナと名前を変えられ、エルサレム在住のユダヤ人はどこに行っても良いからエルサレムに住むことを禁じられます。「ディアスポラ(離散)」です。それから1800年の間、ユダヤ人の国は消滅したわけです。
この時点で、ユダヤとローマの言い分は全くかみ合っていないのだから、今頃急に周辺国との関係が上手くいくわけが無い、と改めて思ってしまいます。
ハドリアヌスの晩年は評判が悪かったようです。がんこじじい状態だったらしいです。
アントニヌス・ピウスが後任となり、この人は前の2人の皇帝の後を粛々と地固めするような仕事をします。ピウスは慈悲深い、という意味だそうです。